電子カルテ導入パーフェクトガイド » 導入前に知っておこう!電子カルテの基礎知識 » 電子カルテのオンプレミス版とクラウド版の違いは?

電子カルテのオンプレミス版とクラウド版の違いは?

オンプレミスとは?

オンプレミスとは、自社保有の情報システムを自社の設備で運用することです。昨今はクラウドサービスなどで外部サーバーを使用することが多くなっていますが、従来の自社運用のスタイルをオンプレミスと呼んで区別しているのです。

基本的にオンプレミスは非公開、またはユーザー限定のサービスなどを想定しています。具体的には以下のようなサービスが考えられます。

かつてはこうした自社運用の形以外に自前のサーバーや通信回線を設置する方法がなかったので一般的な方法とされていました。現在はクラウドサービスが普及してきたため、自社保有・自社運用の情報システムを指す言葉がオンプレミスとなったのです。

オンプレミスのメリットを挙げると、自社保有だけあってカスタマイズが自由で既存自社システムと連携しやすいことでしょう。デメリットとしては初期費用が高額になりがちなこと、災害復旧が困難なことなどが考えられます。

電子カルテを
サポート面で徹底比較!
導入すべき
電子カルテとは?

オンプレミスのメリット

システムを柔軟にカスタマイズできる

オンプレミスは、自社内でハードウェアからソフトウェアまでを確保可能なシステムです。そのため、システムの柔軟なカスタマイズができます。もともと使用している社内システムとも連携しやすく、自社の特性に合わせたカスタマイズがしやすいのもメリットといえるでしょう。

セキュリティによる安全性が高い

システムを選ぶ際には、外部からの攻撃や侵入などから大切なデータを守るためのセキュリティの安全性が重要です。オンプレミスは自社のネットワークを利用して運用するシステムなので、必然的にオンプレミスのサーバー利用者は自社内のスタッフのみに限定されます。限定されたネットーワークには第三者が侵入しにくく、そのセキュリティは強固です。ECサイトにおける個人情報などの重要な情報も安全な場所に保管することができるのも大きなメリットだと言えるでしょう。

オンプレミスのデメリット

初期コストが高い

オンプレミスを導入するには、サーバーやソフトウェアなどのIT機器を自社側で用意しなくてはいけません。そのため、どうしても初期コストが大きくなりがちなのがデメリットとなります。サーバールームの管理費や人件費といったランニングコストがかかる点もデメリットといえるでしょう。故障が起きた際の機器交換の費用は自社持ちなので、オンプレミスは全体的にコストが大きくなりがちです。

購入後の資産管理は自社で行わなければいけない

オンプレミスの場合、購入後の資産管理は自社側で行うことになります。当然、資産管理には専門知識を持つスタッフを確保しなくてはいけません。また、ネットワーク障害などのトラブルも自社で対応する必要があります。

クラウドとは?

一方、クラウドとはインターネット経由で接続できるさまざまなサービスのことを指します。皆さんがよく使っているウェブメールやカレンダーアプリなどもクラウドサービスの身近な例です。アウトソーシング(外部委託)が進化した概念と考えてもいいかもしれません。オンプレミスと相反する存在ではなく、補完し合う存在だと理解したほうがいいでしょう。

クラウド上では1台の物理的サーバーが複数の仮想サーバーを運用する「仮想化」という技術が用いられます。仮想サーバーは物理サーバーのリソースを分割し、複数の仮想サーバーに自由に割り当てて使用することができるのです。オンプレミスの情報をそのままの状態でクラウドに移行することも可能です。

クラウドのメリットを挙げると、まずは初期費用が安価だということ、災害に強く復旧が比較的容易だということがあります。デメリットとしてはカスタマイズが制限されること、障害発生時の原因が不明瞭なことなどが考えられます。

クラウドのメリット

コストを安く抑えられる

クラウドの場合、オンプレミスのようなサーバー環境に必要なシステムを購入する必要がありません。そのため、コストを安く抑えられるというメリットがあります。クラウドは料金体系も使用した分だけ料金が発生する従量制なので、余分なコストをかけることがほとんどなく、使用量をコントロールできればその分だけコストが削減できるのです。サーバーの管理費もほとんどかかりません。

導入が簡単で素早く利用開始できる

クラウドは、販売業者とのあいだに契約が成立すれば簡単に利用開始できます。早い場合は、アカウント発行と初期設定が終わればその日のうちに利用開始することも可能です。さらに、システムを利用できる機器は社内のパソコンだけに限りません。スマートフォンや社外のパソコンからのアクセスも可能なので、場所や機器を問わずアクセスができ、データを移動させる必要もありません。また、サーバーのメンテナンスも不要なので管理費を抑えることができます。

高い拡張性がある

クラウドは、システムの導入後もWeb上での設定変更が可能です。そのため、サーバーの追加などの拡張性が高いのもメリットの一つです。

クラウドのデメリット

カスタマイズの自由度が低い

オンプレミスと比較すると、クラウドはカスタマイズの自由度が低くなります。オンプレミスは初期段階からシステムを構築するので自社のシステムに合わせたカスタマイズが可能です。対して、クラウドはあくまで販売者が提供しているサービスを利用するという形なので、自社側でカスタマイズできる範囲は限定されます。

長期的に見るとコストが高くなる場合がある

クラウドのメリットである料金が従量制であるという点は、裏を返せば長期間システムを使用し続けるとオンプレミスに比べてコストが嵩むことがあるというデメリットにもなります。クラウドは短期的に見れば、導入費用、メンテナンスに必要な人件費や時間といったコストぉ抑えることができるのがメリットです。しかし、長期的な視点で見ると個々のコストが積み重なって行くという点には注意が必要でしょう。

オンプレミスとクラウドどっちがいい?

電子カルテにもオンプレミス型とクラウド型の両方がありますが、こればかりはどちらが良いと一概に決めることはできません。それぞれの特性とメリット、デメリットをしっかり確認して理解し、自院に合ったタイプを選ぶようにしましょう。

導入成功のためのポイント

医療機関の規模と予算

導入コストが高額になるオンプレミス型は、大規模な医療機関や安定した予算がある施設に適しています。一方で、規模が小さい施設や初期投資を抑えたい場合は、クラウド型の方が適している場合があります。

ITリソースの確保

オンプレミス型は、システム運用やトラブル対応を行えるIT人材の確保が不可欠です。ベンダーによるサポートサービスも重要な選定基準です。

データ保護とバックアップ体制

災害時に備えたデータバックアップの仕組みや復旧計画を導入前に検討する必要があります。クラウド連携によるバックアップも一つの選択肢です。

法令遵守

日本では医療情報の管理に関する厳しい法規制が存在します。データ保存期間やアクセス権限の管理など、法律を遵守するシステム設計が求められます。

【サポート力で比較】
人気電子カルテ5選

電子カルテは導入後にどれだけサポートを受けられるかがとても重要になってきます。何かトラブルがあったときにサポートが受けられないと、診療所・クリニックの業務が止まってしまいます。
そこでここでは、導入率の高い電子カルテのサポート力を比較しました。比較商品は2018年度調査で導入が多い、メディコム、ダイナミクス、ビー・エム・エル、ラボテック、ユヤマ、これら商品の中からクリニック・診療所向けの電子カルテを紹介します。

▼左右にスクロールできます▼

HRV(メディコム)

公式HPを見る

Dynamics(ダイナミクス)

公式HPを見る

クオリス(ビー・エム・エル)

公式HPを見る

SUPER CLINIC(ラボテック)

公式HPを見る

BrainBox(ユヤマ)

公式HPを見る

トラブル対応 24時間365日 平日8:50~19:30
土曜8:50~13:00
記載なし 記載なし 記載なし
訪問対応の
有無
訪問サポートなし 記載なし
リモート
メンテナンスの
有無
記載なし
導入後の講習会
(セミナー)の
有無
記載なし 記載なし

※ハードのトラブル(新興サービス(株))の場合
ピックアップ商品の参照元:日経メディカル開業サポート「第2回 【開業医300人に聞いた】電子カルテ導入の有無と導入商品ランキング 2018」より