厚生労働省は、電子カルテ導入にあたってガイドラインを作成しています。そのガイドライン「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5.1版 」が、令和3年1月に追記・修正されました。
改ざんや情報漏洩、情報盗難を防止するための項目になります。ポイントを押さえて電子カルテを選び、導入する準備をしましょう。
ガイドラインの第7章に「電子保存の要求事項について」という項目があり、
これら法的に保存義務のある文書等の電子保存の要件として、真正性、見読性及び保存性の確保の3つの基準が示されています。
こちらでは、電子保存の要求事項の3項目についてお伝えします。
真正性の確保とは、電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中における当該事項の改変又は消去の事実の有無及びその内容を確認することができる措置を講じ、かつ、当該電磁的記録の作成に係る責任の所在を明らかにしていることを指します。
カルテの保存期間に入力・変更・削除した内容や人物がわかるようにしておく必要があるのです。
見読性の確保とは、必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに明瞭かつ整然とした形式で使用に係る電子計算機その他の機器に表示し、及び書面を作成できるようにすることを指します。
必要な時に、すぐカルテを画面表示・印刷できなければいけません。
保存性の確保電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中において復元可能な状態で保存することができる措置を講じていることを指します。
カルテの保存期間中は、誤って消したものであっても復元できるシステムでなければいけない、ということです。
電子カルテを導入するにあたり、費用や操作性が気になるところです。しかし、最も重要なのはガイドラインに沿った対策がクリニック・診療所で講じられているかということ。
次の3点を押さえたうえで、電子カルテ導入を検討・準備しましょう。
電子カルテの内容が、不必要に人目に触れないよう対策を講じなければいけません。
具体的には、次の3点です。
電子カルテ操作する人物を管理し、電子カルテのアップデートや関連機器のメンテナンスを怠らないようにする必要があります。具体的には、次の5点です。
「人による誤りを防止する」と書かれており、職員やシステム保守業者、外部データ保存に関わる業者以外には操作させてはいけない、としています。
【サポート力で比較】
人気電子カルテ5選
電子カルテは導入後にどれだけサポートを受けられるかがとても重要になってきます。何かトラブルがあったときにサポートが受けられないと、診療所・クリニックの業務が止まってしまいます。
そこでここでは、導入率の高い電子カルテのサポート力を比較しました。比較商品は2018年度調査で導入が多い、メディコム、ダイナミクス、ビー・エム・エル、ラボテック、ユヤマ、これら商品の中からクリニック・診療所向けの電子カルテを紹介します。
▼左右にスクロールできます▼
HRV(メディコム)![]() |
Dynamics(ダイナミクス)![]() |
クオリス(ビー・エム・エル)![]() |
SUPER CLINIC(ラボテック)![]() |
BrainBox(ユヤマ)![]() |
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トラブル対応 | 24時間365日 | 平日8:50~19:30 土曜8:50~13:00 |
記載なし | 記載なし | 記載なし |
訪問対応の 有無 |
〇 | 訪問サポートなし | 記載なし | 〇 | 〇 |
リモート メンテナンスの 有無 |
〇 | 記載なし | 〇 | 〇 | 〇 |
導入後の講習会 (セミナー)の 有無 |
〇 | 〇 | 記載なし | 〇 | 記載なし |
※ハードのトラブル(新興サービス(株))の場合
ピックアップ商品の参照元:日経メディカル開業サポート「第2回 【開業医300人に聞いた】電子カルテ導入の有無と導入商品ランキング 2018」より